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トムボーイ - 2011.10.15 Sat

「トムボーイ」
(2011/フランス/TOMBOY)


tomboy03.jpg


10歳のロールはボーイッシュなおてんば娘。家族と田舎に引っ越してきたロールはミカエルと名乗り、あの手この手で近所の子供たちに自分を男の子だと思い込ませる・・・。

【第20回 東京国際レズビアン&ゲイ映画祭(2011)上映作品】




2011年ベルリン国際映画祭テデイ賞審査員賞受賞作品。

今年のフランス映画祭でも上映されました。

「TOMBOY」 とは、「おてんば娘」 の意です。為念。






田舎に引っ越してきたロールは、外では 「ミカエル」 と名乗り男のコのふりをする。
サッカーもうまくて、ケンカも強い。妹をいじめたコをやっつけたり男気あふれるヤツ。
ちょっと大人びたリザは、「ミカエル」 に魅かれて行く。

男の子になりたい女の子の物語。

かつて井上ひさしが、「ひとことでストーリーを語れる映画は大体秀作」 と言っていたけど、その伝で言えばこの作品もそうと言える。
テーマ自体は、先の <ロミオ> と同様なのだが、切り口が全く違う。


どうして自分は男のコじゃないんだろう?
鏡の中の自分をみつめるミカエル。

ツバを吐いたり、立ちションしたり、シャツを脱いでサッカーしたり。
男のコの友だちのしぐさを真似てみる。
果ては、ペニスに憧れ、粘土で作ってくっつけてみたりする。

tomboy05.jpg


しかし見ている我々は、そんなごまかしが永久に続くことはないと知っている。
やがて夏休みが終わり学校が始まる。
「ミカエル」自身も、いつかはわかってしまうことと知っていたはず。
先の展開は予期できるだけに、見ていてちょっとしょっぱい。

終盤、あることがきっかけで自分の娘が外では 「ミカエル」 と名乗り男の子のふりをしていると知った母親。
ママはそのことを知りショックを受ける。
これ、意外だった。
両親は彼女の気持ちをわかっていて、まるごと受け入れているとばかり思っていた。
その時母親が取った行動とは?

一番思い悩むのはもちろん当の本人だけど、親たちもつらい。
もし自分がこのママの立場だったら一体どうしたかしら・・・。
ママのしたことは一見残酷だが母の愛情を感じた。


tomboy02.gif


この映画を見ていて、幼い時に近所にいた、よしこちゃんを思い出した。
よしこちゃんは、ショートヘアで、スカートをはいているのを見たことがない。
いつも男のコたちと遊んでいて、しかもちょっと荒っぽい遊びをしてた。

よしこちゃんは男のコになりたかったんだろうか?
大きくなるにつれ、よしこちゃんを見かけることはなくなったが、彼女はどうしただろうか?
年頃になったら、”お嬢さんらしく” なったのだろうか?

幼い時には誰にも 「よしこちゃん」 のようなちょっとボーイッシュなコが近くにいたんじゃないのかな。

その、ちょっとしょっぱい物語を、セリーヌ・シアマ監督はちょっと違った味付けで見せてくれる。
フランスの田舎の美しい風景。
林の中や湖で遊ぶこどもたち。
なによりも「ミカエル」 がきらきらときらめいている。とってもかわいい。
そして ”彼” にとって救いとなるのが、6歳の妹の存在。
この世でたった一人、本当の自分を理解してくれる人。
「お兄ちゃん」 と妹のやりとりが自然で愛らしく、観ている私たちも癒され救われる。

tomboy04.jpg


ラストシーンをハッピーエンディングととるかバッドエンディングととるか、議論があるようです。
このエンディング、私には ”彼女” の成長物語と見えた。


Tomboy01.gif


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