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 - 2011.06.16 Thu

「剣」
(1964/大映)


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(2004/09/24)
市川雷蔵、藤由紀子 他

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剣の道に打ち込む剣道部主将・国分次郎の純粋さゆえの悲劇を描いた、三島由紀夫の描き下ろし小説を映画化。『斬る』『剣鬼』と合わせて三隅研次監督が放つ「剣三部作」の第2作目。

「 三島由紀夫を 【観る】 」 @角川シネマ有楽町 その2 

三隈研次×市川雷蔵と来たら、どんな剣豪モノかと思ったら、
大学の剣道部のお話でした。
珍しく現代劇でありました。






おもしろかった。
ザ・三島ワールド 全開。

大学の剣道部主将 国分次郎は、一途に剣の道を追い求める。
彼にとって剣道こそ ”絶対” で、その他のことはどうでもいいことなのだ。
その剣道への真摯な姿勢は、時として他の部員の反発を招く。
孤高の人 国分次郎の生と死を描く。

冒頭、国分か賀川か、次期主将を決める話し合いの場、監督の先生が言う。

――国分の剣は、まっすぐだ


その言葉通り、国分は迷いがなく揺らがない。
一番ふさわしい言葉は、「ストイック」。
演じる市川雷蔵 ぴったり!
(大学生にはいささかトウが立ち過ぎている気もするがな)

しかし、それはどこか危ういものをはらんでいる。
ピンと張り詰めた糸のよう。

国分には賀川というライバルがいた。
賀川はちょっとワルで遊び人。
国分とは対照的な存在。

頑なな国分をちょっと ”壊して”やろうと、学内一の美女 恵理を国分に近づける。

賀川曰く 
「あいつは童貞に決まっている。女を知ればあいつも変わるに違いない」

この ”愛する者” を貶めようとする賀川の発想がいいのよね。
この辺りから賀川の国分に対する ”愛” がビンビンと感じられ、またはあはあ。


恵理も以前から国分に興味を持っていて、ある日国分を誘惑する。
このシーンはスリリングで、はあはあ。
ストイックといえど、国分とてオトコ、女性(にょしょう)のユーワクに乗ってしまうのかどうなのか。
ストイックな国分が情欲に燃える様を想像するだけではあはあする。


コトの顛末を恵理から聞く賀川。

――国分さんもただの男よ。
私がちょっと誘うと、スカートの中に手を入れて来て・・・


うそだ、国分がそんなことするはずがない、と思う賀川。

自分で恵理をけしかけておきながら、恵理の言葉に傷ついている賀川って・・・。

国分がそんなことをするはずがないのかどうなのか??


国分次郎役 市川雷蔵。
三島の短編小説を、雷さま自ら企画したという。
剣の道を突き進む国分がぴったりでステキ・・・。眼福。

賀川役 川津祐介。いい!
今回の川津は美しかった。
国分を秘かに思う(?)キャラとしてふさわしい。

伊丹恵理役 藤由紀子。田宮二郎夫人。
美人でブルジョアでちょっとゴーマンというキャラにはまっていた。
さすが田宮二郎の審美眼にかなっただけある。


剣の道に女はいらぬ、といったミソジニー的スタンスはいかにも三島的だし、賀川の屈折した ”友情” もまた三島的で、見ていてうれしくなっちゃう。

一方、 「剣の道」 に対する三島の思いも見える。
剣の道を突き詰めると、国分のような生き方になってしまうのか。
己の道を究めるのと、指導者としての在り方は別のもの。
国分はもう少し下の者に目を配るべきだったし、時に遊びの部分があってもいい。
そうでないと下はついて来ない。
見ていて、後に 「楯の会」 を率いた三島はリーダーとしての難しさ、この時の国分の気持ちを味わったりしたのだろうか、などと国分と重ね合わせて考えてしまった。

最後は国分の死で終わる。
三島が描く 「剣の道」 なら、その帰結は当然 「死」 である。
「死」 によって、国分は 「強く正しい」 まま。
もはや誰も国分を汚すことは出来ない。

最後まで三島的世界の一作なのであった。秀作。

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