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ルートヴィヒ  - 2008.10.15 Wed

「ルートヴィヒ」 (完全復元版)
(1972/イタリア・ドイツ・フランス/ LUDWIG)


ludwig+otto.jpg


(「GAGAデータベース」より)
数々の名作で知られるイタリア映画界の巨匠、ルキーノ・ヴィスコンティ監督のドイツ三部作『地獄に堕ちた勇者ども』 『ベニスに死す』 に続く最終作。
狂王と呼ばれたバイエルン国王・ルードウィヒの波乱と謎に満ちた人生を描く。


ヴィスコンテイ作品で、これは観ていなかったのです。
やっと観る機会を得ることが出来ました。

13:45 @池袋 新文芸坐
世界の名作シリーズ① ヨーロッパの巨匠たち 4日目

日本での公開時 上映時間 3時間04分であったが、脚本に忠実に復元された 約4時間の <完全復元版> での上映となった。
2時間の時点で、約10分の intermission が入りました。

ヴィスコンテイ先生、すいません、
観る前に、
「ドライバーのお供、試験勉強に ドリンク」 を飲んでしまいました。



ヴィスコンテイ映画を観るのは何年ぶりだろう?
20年くらい観ていない気がする。
ヴィスコンテイには特別な思い入れがあるので、あえて距離を取っていたようなところがある。

さてこの作品、今さら何を語ることがあるだろう。

――この王族映画が、ヴィスコンテイ以外にはこれだけ見せ得まいと言い切れる
ヴィスコンテイの貴族たる体験実感が、こまやかに背景にも衣装にも生活描写にも
あふれているからであろう。


淀川長治のこの言葉が全てではないだろうか。
とにかく圧倒されました。 言葉が出ません。

なので、勝手に私的感想を――

・・・
ヘルムート・バーガーが美しい。
久しぶりに見ることもあり、あらためて、この人ってこんなに美しかったっけ? と思うほど。
しかし、と同時に、今回ヘルムートの後ろにヴィスコンテイの影が常に見えるのだった。

美術も衣装も豪華絢爛!
ヴィスコンテイにこんなものを作らせたら、一体どの位の予算がかかったのだろう。
下世話なことを考えてしまった。
だって、”本物” を知っている人だもの。
彼の辞書に 「妥協」 という文字はないでしょう。
ま、私はプロデューサーじゃなくて良かったわ。

と言っていたら、その本人 プロデューサー ロバート・ゴードン・エドワーズ のインタビューがあった(白井佳夫による)

――あの映画のことを思い出すのはまさに悪夢だ。
ヴィスコンテイは大口出資者である二つの公的財団の出資が不可能になったことを
知りながら、あえて撮影を始めたのだ。
それもいささかの妥協も、譲歩もすることなく、だ。
彼は精神と肉体を酷使した末、脳卒中で倒れ、ついには担架に乗って製作を続行させた。
彼はまるで何かにとり憑かれた様だった。


最後に白井佳夫は聞いた。

――ヴィスコンテイにそのような狂気の映画作りを遂行させた原点となったのは何だったのでしょう?

――ヘルムート・バーガーに対する愛だったのだろう、と私は思うよ。
既に自らの死があまり遠くないことを自覚していたヴィスコンテイは、ヘルムートを
その前に名実ともに超一流の俳優にしておきたいというすさまじいような執念を持っていたからね。


ヴィスコンテイ自身のコメントもある。

――孤独で精神異常を宣告された若く強健で、途方もなく美しいばかりの王 ルートヴィヒ二世を私が選んだのは、全く必然的なことだった。
私の考えでは、ヘルムート・バーガー以上にこの役を理解して演じられる者はいないだろう。



ludwig04.jpg


Imdbのヘルムート・バーガーのページを見ると、
「ルキノ・ヴィスコンテイの ロングタイム・コンパニオンであった」
とある。
from 1964 until the director's death in 1976.
って、すごい長いつき合いだったんだな・・・。

彼について検索していたら、2007年ベルリン映画祭における 「テデイ特別賞」を受賞している記事をみつけた。
「テデイ賞」 とは、<TATTO - 刺青 -> でも記述したが、LGBT映画に与えられる賞である。
それの特別賞をもらうヘルムート・バーガーって一体・・・。
でもすごく嬉しそうなのよね。なら、いっか。
2007年のヘルムートを どうしても どうしても みたい方は こちら
となりにいるのが、<TATTO - 刺青 -> でこの年の「テデイ賞」を受賞した ゼロ・チョウ監督。


さて、ルートヴィヒを描く上で、彼の同性愛的側面は重要な部分だ。
前半エリザベートがたずねる。

――それじゃ、私もあなたに聞きたい事があるわ。
あなたが女を知らないって噂は本当なの?


これが前フリになる。
ある日、彼は夜の散歩中、月光の下、一人湖で泳ぐ従者の若く美しい肉体を見て動揺する。
その後、自分の性的指向を否定するかのように、突然ソフィー(エリザベートの妹)との婚約を決める。
(→後に婚約破棄)

そして晩年、狩猟小屋で粗野な馬丁たちと、酔っ払っての乱痴気騒ぎ。
半裸の少年を膝に、楽しそうなルートヴィヒ。
やがて皆酔いつぶれて眠る ―― 全裸の男もいる。
これと同じ図は、<地獄に堕ちた勇者ども> にもあったな。
眠る男たちの間を抜け、毛皮を翻し、一人城に帰る王の孤独。
彼の懊悩を表現できるのは、ヴィスコンティとヘルムート・バーガー以外誰がいようか。
(ヘルムートはこの作品の撮影が終わった後、役から本来の自分に戻ることが出来ず、しばらくサナトリウムに入所した)

visc31.jpg


又、従者 ホルニヒ役 マルク・ポレル
この人、何とも言えない 色気 があるのよね。
立っているだけで匂って来るような。
この後、<イノセント> で、「妻の愛人」という重要な役に起用したことから、ヴィスコンティも彼を買っていたのだろう。
なんでも、ホルニヒとルートヴィヒは、親密な同性愛関係にあったそうだが、映画では特筆すべき描写はない。
が、二人が交わす目線で、二人の関係が推測できるような演出になっている。

ルートヴィヒ 5歳下の弟 オットーがスクリーンに登場した時、
おおっとーー・・・ とうめいてしまった。(デイヴ・スペクタークラスのだじゃれで めんご)
天使のような美少年
ジョン・モルダー・ブラウン

jmb03.jpg

あらま、するっと名前が出て来た自分に感心してしまった。(なつかすぃ~~☆)
やはり、ヴィスコンテイのキャスティングは完璧!
Imdbで、やっぱり美少年は、UK  ね、 と確認した後、彼のキャリアを見ると、リッパに俳優として活躍してました。

JMB01


きわめて私的なことで恐縮も、
エリザベートの侍女役の女優、すごくすごくよく見た顔・・・
誰だろう・・・
観ている間ももやもや
カチッ!!
<愛の嵐> で、ダーク・ボガートの住むアパートの隣の室の婦人!
白いプードルを連れている。
調べた。 Nora Ricci

彼女は、実はヴィスコンティ組の常連で、<ベニスに死す> <地獄に堕ちた~> にも出ていた。 ほえ~、知らなかったよ~。
この二作品とも同じ役 : Governess (婦人家庭教師。
やっぱり、<愛の嵐> とヴィスコンティは密接な関係だったのね(嬉)
ヴィスコンティもこの作品は認めていたのだった。
(なんといっても、<愛の嵐> は、わが生涯のBEST3 のひとつですから)

Night PorterNight Porter
(2000/06/20)
Dirk BogardeCharlotte Rampling

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ヴィスコンティ作品は観終わった後、いつも名状しがたい感慨でいっぱいになる。
もうこんな作品は、この世に生まれ得ないのだと思うと、せつなくて、やるせない感動の涙が湧き上がって来る。
遺作は <イノセント> だが、この作品はやはり、ヴィスコンティの遺した遺言なのだ。

ヴィスコンティについては、まだまだ言いたい事があるけれど、それは又次の機会に。

そうそう、映画を観ている間、役者と台詞に微妙な違和感があり、アフレコなのかな?
と思った。
ヘルムートの声は本来もっと甲高かったはず・・・と思ったら。
エンドクレジットに、イタリア語吹き替え ではないかと思われるところが・・・。
(なにせ、イタリア語なんでわかりませんが)
それによると、ルートヴィヒの声は、ジャンカルロ・ジャンニーニ が演っていた。


ludwig05.jpg
ヴィスコンティ、ロミー・シュナイダーと彼女の息子 David-Christopher

彼は14歳の時、悲惨な死を遂げ、それがロミー・シュナイダーの死の要因になる。
(→享年 44歳  
マルク・ポレルも若くして急死したな。(→享年 34歳 meningitis って何?
 ・・・髄膜炎 だって

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