2017-10

ライン・オブ・ビューティ~愛と欲望の境界線 - 2010.10.10 Sun

「ライン・オブ・ビューティ~愛と欲望の境界線」
(2006/UK/The Line of Beauty)


Line of Beauty [DVD] [Import]Line of Beauty [DVD] [Import]
(2006/10/17)
Dan StevensTim McInnerny

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同性愛をモチーフにして2004年、史上初めて英国文学界の権威・ブッカー賞を受賞したアラン・ホリングハーストの小説“The Line of Beauty”を、英国BBCで06年にTVドラマ化した。
サッチャーを首相とする保守党政権下の80年代、英国の上流社会を背景に、ゲイの青年たちが織りなす退廃的なライフスタイルや、彼らが遭遇する抑圧および権力への野望、そしてエイズがもたらす悲劇の物語。



わが家のオンボロDVDがとうとうぶっこわれた。
中には録画した映画 : 未見のもの、残しておきたいものがいろいろ入っていた。
しかし、壊れちゃったらこりゃしゃあないわな、というキモチだった。
ただひとつ、心残りはこの作品。
途中まで見ていたし、日本DVD未発売なので。

新しいのをソッコー買いに行き、家に帰ったら・・・、なんと直ってた。
マジっすか・・・。
でももう下取り扱いにしちゃったから、あとで電気屋さんに持って行かなくちゃいけないの。
その前に見ちゃおう!
BBC製作の三話完結TVドラマミニシリーズです。




第一話 : 
ニックは大学の友人トビー・フェデンの家に下宿することに。
トビーの父は保守党国会議員。フェデン家は名家である。
ニックはゲイで周囲にカミングアウト済みだ。
ある日ニックはレオと知り合う。
二人の恋は燃え上がるのだが――

舞台は'80年代、鉄の女・サッチャーが首相だった時代。
本物のアンティークに囲まれたフェデン家、トビーのママの実家は美術館のような伯爵家。
家がアンティーク商のニックは、その審美眼と知性でフェデン家に気に入られる。

ニックが初めてフェデン家に来た時、末娘キャットがニックに言う。

――ねえ、ゲイってどんなかんじ?
お兄ちゃんと寝たの?
お兄ちゃんのこと好きなんでしょ?


トビーのことは友人として大好きだよ、とかわすニックだが、シャワー後のトビーのお尻のあたりをさまようニックの視線に邪な思いが見えたり、ニクい演出がみられる。


イギリスの上流階級モノって、そのゴージャスぶりにしばしばカルチャーショックを受けるが、チロ的に今回ほほお~と思ったのは、「プライベートガーデン」 です。
プライベートガーデンというのは、街中(フェデン家の住まいはノッティングヒルにある)に ”秘密の花園” みたいなところがあって、代々数軒で区画所有している。
所有者たちだけが鍵を持っていて、散歩したり庭を楽しむことが出来る。
こんなのあるんだ! 初めて知った。

初めてのデートでニックとレオは、ここで星空の下、星空の下・・・(以下自粛)
これを茶の間で放送するBBCはやっぱりスゲーです。さすがUK!

レオに強く惹かれるニックだが、レオはどこか ”わけあり”・・・。
フェデン家が旅行で留守のある日、ニックの部屋で二人は初めて一緒に朝を迎える。
(それまでは ”星空の下” ばかりだったからね)
幸福の絶頂のニックにレオは突然別れを告げ去っていく――

と、ここまでが第一話。

舞台は'80年代なので、ファッションも含めてこの時代の風景が懐かしい。
ネットはまだなく、二人の出会いはレオが出した恋人募集の新聞の広告欄。
それを見たニックは、写真とプロフィールを手紙で送ったのだった。
「えーっ、いつの時代の話ぃ?」ってとこだけど、'80年代はこんなやりとりだったのか。

lineofb01.jpg



===
第二話 : 第一話から3年経った1986年。
第二話はニックの栄光の絶頂を描く。
相変わらずフェデン家に下宿しているニックは、大学時代の友人ワニーとつき合っている。(といいながら、それぞれハッテンしてる・・・?)
一話でワニーは婚約したばかりだったのにゲイだったわけだ。
自分で 「全くの偽装結婚」 と言っている。→ 奥さんがかわいそう。

富豪の御曹司ワニーの出資で、雑誌や映画製作のプロジェクトを始めたニックは羽振りがいい。
また、フェデン家の ”一員”として、有力政治家や著名人とも親交を深める。
果てはフェデン家のパーテイに来たサッチャー首相のダンスの相手をも務める。
一介の地方の骨董商の息子が、上流階級の仲間入りをしたかたち。
しかし、栄光は長く続かない。フェデン家にもニックにも。
又この時代ならではの ”ある病気”の影が忍び寄る・・・。

第二話で印象に残ったのは、ロンドン市内(郊外?)に小さな湖のようなところがあって、そこは 「MEN ONLY」
ハッテンビーチみたいなとこなんだよね。
歴史がある場所みたいで、おじいちゃんやオヤジもいっぱい。
ヌーディストビーチのように、おじいちゃんたちがゼンラで横たわってました。
(→ ここではまたまた修正なし ま、おじいちゃんの全裸で劣情はそそられないわな)
こんなのあるんだ!(本日二回目)

ワニーはレバノン系、レオも移民系。<マイ・ビューティフル・ランドレット> ではパキスタン系青年だったし、イギリスの民族の多様性がうかがえる。

===
第三話 : 第二話から一年後。
レオがエイズで死んだと知るニック。
突然の別れはそれが理由だったのか。

ワニーはクスリと肉欲に溺れていく。
ニックとつき合いながらハゲしくハッテンしていたワニーは、エイズに冒される。

栄華を極めたフェデン家は、金と女のスキャンダルで失墜する。
下宿人ニック周辺のゲイスキャンダルも暴かれ足を引っ張る。
かつて息子のように可愛がられたニックは、一転詰られ家を追われるのだった。

レオが死に、ワニーの余命もわずか、周囲から「あなたは大丈夫なの?」と心配されるニック。
「僕は気をつけてるし、検査も受けているから」
三話の最後に再び検査を受けるニックだが・・・。
ドラマはそのまま終る。検査の結果はわからない。どうなったのか?


===
主役ニック役 ダン・スチーヴンス、いかにもUKの美青年ってかんじ。はまってました。
彼はケンブリッジ卒なんですね。(ちなみにワニー役 アレックス・ウィンダムはオクスフォード)

↓ トビー役 オリバー・コールマン ちょっと若い時のウイリア○王子みたいな美丈夫。

lineofb03.jpg



===
アラン・ホリングハースト による原作は、同性愛をテーマにした作品としてはじめて、ブッカー賞を受賞しただけあってよく出来ているわあ。
人物造形が深く、ストーリーに奥行きがある。
政治とパーティーに明け暮れるフェデン家で、一人取り残される末娘キャット(情緒不安定)。
やり手の実業家、偉大な父の存在に押しつぶされるワニー。
イギリス上流階級に繰り広げられる権謀術数、欲望と栄光、虚飾と退廃。
見ごたえのあるドラマだった。
一話が一時間、合計三時間だったのか。
三時間とは思えない充実度。あまりに内容が濃いのですっごく長尺のような気がしてた。

この作品は、イギリス版 <エンジェルズ・イン・アメリカ> と言われてる。
どちらも同性愛がテーマになっているけど、こちらの方がドラマとして見やすい。
しかし、同性愛がテーマだと、どうしても時代設定が '80年代でエイズがらみになるのかしらね。


'80年代のヒットナンバーも使われて心地いい。
New Order、スパンダーバレエ、クラッシュ・・・
BBCのサイトに、使われた ナンバー一覧 が出てました。
お、ストラングラーズ!


lineofb04.jpg

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