2017-10

家庭の事情 - 2010.10.26 Tue

「家庭の事情」
(1962/大映)



三沢は退職金を4人の娘に分け与えることにしたが…。
新藤=吉村の名コンビによるホームドラマ。大映東京の女優、男優陣が集った華やかな雰囲気が楽しめる。


≪きらめく女優たち1 みつめていたい! 若尾文子≫ その2 @神保町シアター


<細雪>みたいな姉妹モノ、ダイスキなのよね。
安心して楽しめる 巨匠 吉村公三郎作品ということでこれをチョイス!

神保町シアター、毎度のことながら観客の・・・年齢層が高い・・・。
ほとんどの人がシニア料金で入っていると思われ。
考えようによっては、こういうシニア世代が見たいと思う新作映画が少ないのではないか。
このあたりの邦画は、ただノスタルジアで見るのではなく、優れた作品が多いのは確かだもの。




父親が定年退職、退職金を嫁入り支度にと、四人の娘に分配。
「結婚」・・・四人の娘たちはそれぞれ事情があるようで・・・。


原作は源氏鶏太。この時代この人の原作はよく映画化されてたな。
時代は1962年(昭和37年)、この時代と現代の価値観の相違が興味深かった。

まず、定年を迎えた父親:山村聡の老けっぷり! 完全に楽隠居の風情。
この人って気づいたらずーっとおじいちゃんって気がする。
見ながら何歳の設定?と頭で計算してました。
30年勤めたというから、大卒で入社していたとして52歳! 見えな~い!
70歳くらいに見える。
→ 山村聡の実年齢を調べてみた。1910年生まれなのでこの時52歳。そのまま。
今年だったら、52歳の芸能人というと、時任○郎、玉置浩○(おい、青田!)
50年前のオヤジというのはこんなものだったんだろう。

この話のおもしろいところは、七年前に妻を亡くした父親が、定年後これからは自由に人生を楽しみたいと宣言するところ。
早速馴染みの小料理屋の女(藤間紫)とハッテン(?)したりする。
→ 見ている時は、ええーっ!と思ったけど、52歳じゃ全然ありだわな。
藤間紫のオヤジころがしのテクニックがすごい!(はまり役)

この作品、けっこいろっぽい映画なんでちょっこしとまどってしまった。
次女(叶順子)は、恋人(田宮二郎)とホテルの前で :

――いいだろ
――でも・・・
――僕たち結婚するんだからいいじゃないか


なんて押し問答に、見ているこちらがいたたまれなくなりました・・・。

あ、話それました。オヤジの話だった。そして、杉村春子先生の登場!
家に縁談を持って来る(お定まりのパターン!)・・・と、それが娘ではなく父親の再婚バナシであった。
娘四人の色恋バナシかと思いきや、オヤジ!? というのがミソ。
ま、サラリーマン小説の源氏鶏太作品ならありか。

===
大映東京の女優・男優を集めたキャスティング :
印象に残るのは、田宮二郎 (今さらだけど)。
次女の恋人役なのだが、出て来たはなから借金のことを言っている。
早く結婚したい次女は、父から貰った金を渡してしまう。
観客は、「こいつは悪いヤツだ」 とわかっている。
田宮二郎は、相変わらずスマートでスーツの似合う男前。だけどこの人って常に金の匂いがする。
野心のある役が多いからか、それとも実生活から出るものなのか。

父の再婚相手 月丘夢路の美しいこと!
行動的でさばけたこの役にぴったりはまっていた。
昔の女優というのは華があるな。見ていてうれしくなっちゃうよ。

さて、今回の文子サマの役どころは、上司(根上淳)と不倫している長女役。
アンサンブルのひとコマとなり、悪目立ちせずステキ・・・
50年も前の作品なのに、その美しさは今と変わらない(マジで)
ほとんどの出演者が鬼籍に入った中、現役で活躍しているのは文子サマだけではないでしょうか。

===
この時代、「結婚」は、男も女も人生ゲームで必ず止まるマスであった。
結婚の為に男たちはアグレッシブに猛アタックする。
今の草食系男子と同じ国民か?と思う。
しかし女の側も、月収はいくらなきゃダメだのなんだの言わないんじゃないの? (この時代はまださ) 
お金がなくても見切り発車、質素に日々の生活を営んでいた時代だった。→ゲゲゲのような
それがいいのか悪いのか。

なんにもむずかしいことは考えず、ひたすら楽しく観た。
これぞ、娯楽作!!


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