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長崎乱楽坂 - 2010.09.28 Tue

「長崎乱楽坂」 吉田修一

長崎乱楽坂 (新潮文庫)長崎乱楽坂 (新潮文庫)
(2006/12)
吉田 修一

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風呂上りの火照った肌に鮮やかな刺青を躍らせた猛々しい男たちが、下穿き一つで集い、日々酒盛りに明け暮れる三村の家。人面獣心の荒くれどもの棲む大家族に育った幼い駿は、ある日、若い衆が女たちを連れ込んでは淫蕩にふける古びた離れの家の一隅に、幽霊がいるのに気づくのだった。湾の見える町に根を下ろす、昭和後期の地方侠家の栄光と没落のなかに、繊細な心の成長を追う力作長編。


これ、2年くらい家で寝かせておいたのだった。

<悪人>からの勢いで、やっと読むことが出来ました。



吉田修一は、芥川賞受賞作 <パークライフ> や、<春、バーニーズで> に見るような都会を舞台にした、いわばスタイリッシュな作品を書く一方で、地方を舞台にした土着性の強い作品もある。
今作はそんな一作。
短編6話の連作。

長崎のとある町、父を事故で失った駿は、母方の実家である三村家に母と弟と三人で身を寄せる。
三村家は侠家で、毎夜男たちが酒盛りに明け暮れていた――

三村家に来た時は7歳、小中高と、駿の成長と共に、三村家の栄光と没落を描く。


――「どや? 坊主たちの死んだ父ちゃんのと、どっちが太かや?」


第一話の書き出しからして、男たちのむせかえるような匂いや息遣いが感じられる。
この作品は、「男の世界」 の物語である。

文庫の解説を書いた 川村湊 は、
(年長の男たちを慕う)駿のホモセクシュアルな性向(セクシャリティー)は、三村家の環境の中で育まれた と読み解く。

私は若い時に自殺した叔父・哲也は実はホモセクシュアルだったのではないかと思っている。
自殺の原因は明らかにされないが、彼のセクシャリティーと無縁ではなかったかと。
吉田修一は、匂わせてるよねえ。(あくまで匂わせる範疇内です。為念)

最終話だけ、それまでの駿ではなく、弟・悠太視点になっている。
これは駿がもはや物語の視点足りえない存在ということなのだが、こういうところがやはり吉田修一はうまいなあ、と思うのだった。
長崎弁がリズムよく心地いい一作。


今読むと、駿というキャラクターに、<悪人> の清水祐一が重なるところもある。
父の不在、一度母に捨てられ、そして(年寄りのいる)「家」 にからめ取られ逃れられない。
心の中に言いようのないうっ屈を抱えている・・・。
なんてところが、ちょっと似とるやろ?

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