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セルロイド・クローゼット その2 - 2008.07.22 Tue

「セルロイド・クローゼット」 その2

thecelluloidclosetdvd.jpg


(画像 [パッケージ・カバー] : アルフレッド・ヒチコック <ロープ>)

1924年 実際に起こった事件 「レオポルド&ローブ事件」 を元にした。
富裕なユダヤ人家庭出身、名門シカゴ大学の学生が、ニーチェの超人思想を実践して犯した殺人事件。二人は14歳から同性愛の関係にあったと言われている。
映画では二人の関係性は描かれないが、”感じる人には感じる” 部分がある。
『見知らぬ乗客』 『私は告白する』 と共に、ヒッチコック ゲイ映画三部作と言われている。



~ 1月22日 <セルロイド・クローゼット> その1 からの続き ~


同性愛者がスクリーンに登場するようになった。
しかし、表舞台に出ると、別の脅威にさらされた。




<バニシング・ポイント>('70)

バニシング・ポイントバニシング・ポイント
(2007/08/25)
バリー・ニューマン

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トム・ハンクス
――映画でゲイを見たのはあれが初めてだった。
主人公の拾うヒッチハイカーさ。
一人はバッグを抱え、ピチピチの服を着て、いやらしい表情をしていた。

モロおネエしゃべりの二人組みは、強盗だった。

――二人が車から放り出されると、僕らは大笑いした。
「サイコーだよ、ゲイが放り出されるとこ 見た?」
とてもおかしかった。
あれが同性愛者のイメージになった。


これを見た トム・ハンクスファンはいささかショックを受けるのではないだろうか?
リベラルで知られる彼のこのコメント。
よくこんなこと平気で言えるわね。
もっとも当時の率直な気持ちなのだろうが。

「同性愛者のイメージ」

これは非常にこわいことだ。


===

――楽しく映画を見ていると、そこにゲイと思しきキャラクターが登場する。
悪漢か殺人鬼だ。 すると、観客は大喜びする。


<フリービーとビーン>(’74)

cell24.jpg


――女装の殺人鬼が出て来ると、我らがヒーローは、銃で勝ち誇ったようにそいつを撃ちまくる。
観客は大喜びだ。
つまり、観客は悪漢というだけでなく、ゲイの死にも拍手を送るわけだ。


この辺り、なんだか見ていていやな気持ちになった。
観客はそこまで深く考えて笑っているわけではないかも知れない。
製作者側は、「深読みしすぎだ」と言うかも知れない。
しかし、映画の影響力は大きい。


===

ついに、ゲイシーンを認めたハリウッド。
ハードゲイの世界が描かれた。

<クルージング>(’80)


cell25.jpg

映画の同性愛者は、犠牲者から加害者に。

――<クルージング>の思い出は、劇場で観た時、観客から嫌がらせを受けたこと。
外まで追いかけて来て、
「<クルージング>を見ろ! 自業自得だ!」


ゲイばかりを狙う連続殺人犯が、ゲイだった、という話だった。

その後、ゲイによる <クルージング>上映反対のデモがあったことを初めて知った。
今だったら、こういうニュースはネットで簡単に知ることだ出来るが、当時はこういうニュースを知る機会はなかったな。

ウィリアム・フリードキンは、<真夜中のパーテイ>という名作を作りながら、なぜ一方でこんな作品を作ってしまったのだろうか?

===
そして、画期的な作品が!

<メイキング・ラブ>(’82)


cell26.jpg

上映前の但し書き付きの映画でっせ!

――20世紀フォックスが誇りを持ってお届けする問題作。
性に悩みを持った若い女性の物語。
まじめな作品ですが、観客に衝撃を与えるかもしれません。


夫が実はゲイだった! それを知り悩む妻の物語。
初めてゲイを主役にした革新的な作品だった。

ダニエル・メルニック (プロデューサー)
――二人の男優のキャスティングは困難を極めた。 
二人の男優のアドヴァイサーたちは、
「ゲイの役はやるな。 キャリアを無にする」

ハリー・ハムリン (俳優 /画像 向かって左のメンズ)
――’80年代はそう考えるのが当たり前だった。
同性愛嫌悪は僕の中にもある。 ゲイ役を演じた俳優に会ったら、
「本当にゲイかも」 と思う。
自分でも演じたのにね。 なぜ気にするんだろう。 どうでもいいのに。


脚本を書いた バリー・サンドラーの語る初日の様子が すごい!

――マイアミの劇場で初日を迎えた。 観客たちは皆居心地悪そうだった。
男たちがキスを交わすと大爆発した。 観客はパニックになって、通路に殺到した。
僕たちも席を立った・・・。


日本では信じられない光景だ。
それってなんなんだろう。

ジョン・シュレシンジャー(監督 <真夜中のカウボーイ>)
――アメリカ人は同性愛を恐れている。 存在しないかのようにふたをする。 
愚かだよ。


<メイキング・ラブ>については、寛子ちゃんのブログ に詳しいので、更に知りたい方は是非どうぞ!

スーザン・サランドン
――映画は無視できない危険なものよ。 「夢の番人」だもの。
小さな暗室で観客は無防備になる。 

そして、自分の感性が試される。

この作品の最後は、過去のいろんな作品のキスシーンやダンスシーンの数々。
さながら <ニュー・シネマ・パラダイス> のカットされたキスシーンのようだ。
見たことのない作品のものは、ただ、ただ美しいな・・・と思い、
見た作品のものは、その時の感動が甦る。
あ、<アナザー・カントリー>!  なんて美しい二人でしょう。
<ロングタイム・コンパニオン> ビーチでのラストシーン。
見ているだけで泣けて来る・・・。

そして最後は、<エジソンの実験映画>(1895)
この原題は <GAY BROTHER>
皮肉なめぐり合わせ。 この時代、「gay」 は、単純に 「陽気な」の意であったろう。

1cell23.jpg


ハリウッド黄金時代を思わせる カーター・バーウェル の音楽も、静かな感動を呼ぶ。
ああ、エプスタイン作品の最後って、結局 静かな感動なのよね。泣けますた。
編集も素晴らしい。

この作品、原作は ヴィト・ロッソの著作。
ヴィト・ロッソは、早くからゲイのアクティヴィストとして活動していた人らしい。
映画の造詣も深いことから、この著作になった。
エプスタインたちとのつながりは、<ハーヴェイ・ミルク> で、アドヴァイザーとしてクレジットされている。
’90年 エイズで死亡。 44歳  合掌。

この作品を観て、いろんなことを考えさせられた。
映画の行間を読むことや、裏の面を見ること。

まさに、”映画は観る者によって変わる” のだ。
今まで、なんにも考えずに見てきたのだなあ、と反省することしきり。

時代を追ってまとめてあること、各時代ごとの問題点が提起してあり、実によく出来た構成である。
観た作品は、新たな気持ちで今一度見直したいと思ったし、是非観てみたい作品も数多くあった。

我的に一番観たいと思ったのは、

<PARTING GLANCES>'86

cell27.jpg

スチーブ・ブシェミ主演作品。ブシェミがこんな役やっていたんだあ。
おそらく日本未公開でしょうね。

ここに取り上げた部分はごく一部であり、興味深いところがまだまだたくさんあります。
たとえば、<スパルタカス> で、検閲によりカットされたシーンとか。
[アントニヌス 26歳 詩人] が奴隷として、ローレンス・オリビエの前に連れて来られる。
「自分の従者になれ」
”従者” とは何か? そして、そのカットされた部分で彼は自分の ”務め” を悟ることになる。 彼の ”務め” とは何か? キャ~、言えないわ~
是非、一度観ていただきたい素晴らしいドキュメンタリ作品。


今回共同監督をした、ロブ・エプスタインとジェフリ・フリードマンは、<刑法175条>と同じコンビだが、やはり公私にわたるパートナーでした。

paragraph175copy.jpg


 
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