2017-10

ミルク その1 - 2009.04.21 Tue

「ミルク」
(2008/MILK)


milk24.jpg

同性愛者であることを公表した上で、米国史上初めて公職に就いた政治家ハービー・ミルクの半生を描いた伝記ドラマ。
1970年代のサンフランシスコ。生来の人柄でゲイやヒッピーたちに慕われる同性愛者のミルクは、マイノリティに対する権利と機会の平等を求め、世間の差別や偏見と戦いながら市制執行委員会の選挙に立候補する。
第81回アカデミー賞では、主演男優賞(ショーン・ペン)、オリジナル脚本賞を受賞。監督は「エレファント」のガス・バン・サント。


この日を待っていた。
どんな展開かわかっているのに、いや、わかっているからこそ、
やっぱりがっつり泣けた・・・。

10:40 @新宿バルト9



オープニングクレジットの背景に、モノクロのニュースフィルムと新聞記事が映し出される。
ゲイたちが集うバーが一斉摘発され、男たちは警察車輌に家畜のように押し込められて行く。
時代を覆う不穏な空気――

本編――
キッチンのテーブルでハーヴィー・ミルクがマイクに向かって話している。
あの遺言テープ: 僕が暗殺された時、聞いて欲しい・・・
を作成しているところ。
そして時は遡る――

この作品がどんな脚本になっているか興味があった。
アカデミー授賞式、ダスティン・ランス・ブラックは、スピーチの最初に言った。
容易な作業ではなかったと。
ロブ・エプスタインのドキュメンタリ <ハーヴェイ・ミルク>があまりによく出来ていたので(→アカデミー賞ドキュメンタリ賞も受賞している)、ドラマ版はどんな切り口で描くのか――

ドキュメンタリ版は、ミルクのいわば公人としての活動や人となり、そして事件やその後の影響などを描いた。ドラマ版ではそこで描かれなかったミルクのプライヴェートライフを描いている。

1972年 ニューヨーク、駅の階段ですれ違ったハンサムな若者に、ミルクは声をかける。
ミルクは二十歳年下のスコット・スミスと恋に落ちる。
ミルクのゴーインなナンパに ギョエッ! となる。 す、すごい・・・ヤリ手。
そこからいきなりお持ち帰り。
コトが終わった後、ミルクはスコットに言う。
――駅で知らない男に声かけられても、ついて行っちゃだめだよ

前半はラブメインなので、スコットとミルク、ひたすらいちゃこらこいてマス。
映画が始まった時 「PG-12」 のマーク・・・。 残虐なシーンもないはずだけど・・・??
と思っていたら、これか!?(笑)
とはいえ、これがヘテロの二人だったら、全く 「PG-12」 なんて引っかからない程度の他愛ないものである。
やはり ♂×♂ のラブは、ハードルが高いのだなと実感。

二人はサンフランシスコ、カストロ地区に移り住み、小さなカメラ店を開く。
ここでもいちゃこらこいてます。微笑ましいです。
ジエイムズ・フランコがハンサムでステキ 
このキャスティングはナイッス 

milk26.jpg


やがてミルクは同性愛者・有色人種・シニア層など社会の弱者の ”声”を伝えるべく政治の世界へ・・・

寝食を忘れ政治活動にのめりこんで行くミルク。やがて彼の元に脅迫状が届き、身の危険にさらされるようになる。
心穏やかでいられないスコット。
もはや、彼一人のものではなくなったミルクに、スコットは別れを告げる。

ドキュメンタリ版では、ラブの部分は語られないので、スコットとミルクの関係――出会いや暮らしぶりがわかって良かった。
二人が別れていたことも知らなかった。スコットは生涯パートナーだと思っていた。

スコットと別れた後、忙しい日々を送るミルクは、ラティーノ ジャックと知り合う。
これまた若くてキュート☆ ミルクはメンクイで ”若専” なのね。
これがまた絵に描いたようなわがままな性悪猫! 
ミルクは若いコムスメにふり回されるオヤジそのものでちょっと笑っちゃうのだが、優秀なチーム・ミルクの面々は、「新しいミルク夫人」 を彼から遠ざけようとする。
こんな第二のミルク夫人の存在も知らなかった。
この「こまったちゃん」を演じるのが、デイエゴ・ルナ、<天国の口、終わりの楽園。>のコだったのね。

milk34.jpg
 新ミルク夫人

本物のジャックとよく似てるわ。

milk33.jpg こちら 実在のジャック


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そして1978年、悲劇は起こる――


ショーン・ペンのミルクはいろんな顔を見せる。
慕って来る若者を兄のように勇気づけ、時に激しい口調で演説し、スコットの前ではキュートな一人の男であり、事態に窮し弱音を吐く。
でも、どんな時でもユーモアを忘れない。
老若男女、ヘテロもゲイもレズビアンも、すべての人を魅了するチャーミングなミルクそのものだった。
ショーン・ペンを主役に得られたことは、この作品の何よりの幸福であったろう。


最後にミルクのメッセージが流れる

希望が必要だ。希望がなければ、人はあきらめてしまう。
もちろん、希望だけでは生きて行けない。
でも希望がなければ、人生は生きる価値などない。だから、希望を与えなくては。




映画が終わり、エンドクレジットを見ながら一番思ったのは、この映画が完成してほんとに良かったということ。
ミルクが生きた軌跡、ミルクの意志が形になって後に伝えられるだろう。
今ミルクを知らない人も、まだ生まれてない人も、いつか映画を見てそこに希望が見出せるかもしれない。
それこそが、この作品のスタッフ、そしてミルクの周りにいた人々の願いであったはず。

そしてもうひとつ、アカデミー賞を受賞して良かった!
どんなに素晴らしい作品でも、それを見る人がいなければ意味がない。
受賞によってより多くの関心を呼び、より多くの人が見てくれる。
アカデミー賞の受賞ほど絶大な宣伝効果が得られるものはない。
現に授賞式以前、都内で上映が明らかだったのは、シネマライズだけだった。今、銀座・新宿・・・各所で公開となった。うれしい。


映画で何度も出て来るミルクの演説の、はじまりのフレーズが頭から離れない。

――I am Harvey Milk. Now I'm here to recruit you.
ハーヴィー・ミルクです。 みなさんを勧誘(リクルート)しに来ました。



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