2017-10

潮騒の少年 - 2007.06.11 Mon

「潮騒の少年」ジョン・フォックス
([THE BOYS ON THE ROCK] John Fox/越川 芳明訳)

潮騒の少年 潮騒の少年
ジョン フォックス (1989/06)
新潮社
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(「BOOK」データベースより)
何だって上手くできそうで、何一つ上手くいかない16歳の夏。
ニューヨークのハイスクールに通うビリーは倦怠感に苛まれていた。
真面目一辺倒の教師達、始終セックスしているアホなクラスメイト。
命令と質問しかできない疲れた両親。
でも、年上の大学生アルフレッドだけは煌めいて見えた…。
夏の匂いと、高まる皮膚感覚の中、同性愛という“至高の関係”を始めた二人の少年を描く。

何年前に読んだだろうか。 寛子さんのブログで見かけて、懐かしくなり再読してみた。
07-06-05_14-06.jpg
このハードカヴァー版の、デヴィッド・ホックニーの画がいいです



紛れもない 青春小説なり。
ゲイの青春小説なんて読んだことなかったので新鮮だった。
しかも、時代設定を、ロバート・ケネデイ暗殺(’60年代後半)にしているところがいい。
なんかねえ、時代が動いているかんじがするのね。躍動しているというか。

訳者 越川芳明によると:-
この時代は、ヴェトナム反戦・反人種差別・女性解放運動といった、いわゆる 対抗文化(カウンター・カルチャー)の台頭が目立った時代であり、ゲイもマイノリティ・グループとしてさまざまな差別に対して反対を唱え、対抗文化の一役を担って来た。

そっか、 カウンター・カルチャー って、そういうことか。
勉強になるなあ。
その中での、政治意識と性意識に目覚めつつあるビリー少年の視線を描く。

水泳部のビリーは、お気に入りの部員がシャワーを浴びているのを見て欲情してしまったりする。 といった 「男の生理」 が、愛おしくもおもしろく読めた。
(ここで、 「浴場で欲情」  というオヤジギャグを考えませんでしたか、そこのあなた!?)

そう、読んでいて、いろんな「男の生理」を強く意識するのだ。
書き手が女性であると、どうしても「想像の域」を出ない。
しかし、書き手が男性だと、「実体験」が伴うわけで、そのあたりに作り物でないものを感じた。
もちろん、作家は実体験したことのみ書くわけでないし、現にフォックスは (この話のような)「水泳部でもないし、理解ある叔母さんもいない」と言っている。
肉体面だけでない、精神的な 「男の生理」のひとつひとつがとてもナイーブで、繊細なかんじがした。

ビリーとアルのラブ は、若いだけに パッション があった。
とにかく、 若いわねえ   ってかんじだ。
叔母さんの家での メイクラブシーンとか、こと細かい描写であった。

―― リラックスして、リラックスして、リラックスして、リラックスして、ビリー、リラックスして

なんだこれ、フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッド じゃん!
そうか、あれって、まさに ”あの時” の歌だったのか。
早速、 <リラックス> の歌詞 を検索してみた――

おお、イク、イク~!  とか それ、ダメ~! とか言ってます!
さすが ゲイバンド!

この歌 <リラックス> は、フジテレビ 「水10! ココリコミラクルタイプ」 のテーマソングに使われてましたね。(今は番組改編したのかな??)
CMでもお馴染み。

青い春、遠いところまで来ちゃったなあ・・・
「夏の日の思い出」 みたいな作品。

寛子ちゃんの記事によると、ジョン・フォックスは、1990年にエイズで亡くなっていたんですね。知らなかった。
合掌。

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