2017-07

スポンサーサイト - --.--.-- --

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

長靴をはいた猫とシンデレラとオヤジ - 2007.02.09 Fri

長靴をはいた猫 / シャルル ペロー 澁澤龍彦訳

20070208211454.jpg
先日読んだ小説に、シンデレラの話が引用されている件りがあった。
その小説は、人生に疲れたオヤジが、仕事も家庭も捨てて家を出る話。
そのダメオヤジが、シンデレラとどう関係するかというと、再就職先がクリスタルの会社で、店頭のクリスタル製「ガラスの靴」を見て、オヤジはふと思うのだ。
― 「シンデレラ」の幸福のカギ:「ガラスの靴」は、なぜ”ガラスの靴”なのか?”金の靴”でもいいではないか?

ということで、今さらながら、読み返すことにしてみた。



収録作:
猫の親方あるいは長靴をはいた猫
赤頭巾ちゃん
仙女たち
サンドリヨンあるいは小さなガラスの上靴
巻き毛のリケ
眠れる森の美女
青髭
親指太郎
驢馬の皮

この本は十代の頃読みました。 今は、河出から文庫が出ているんですね。
大人になって読む童話というのが、予想以上におもしろかったです。 澁澤もご無沙汰だったので、新鮮。 実に澁澤龍彦らしい文が、心地いい。 軽妙洒脱で、ちょっと皮肉で、ひねりが利いていて。
読んでいる間中、「うへ、うへへ」と笑っちゃうのです。

あとがきで、シブサワ自身が言っているのによると――。
今では、グリム童話の方がポピュラーだが、ペローの方が、単純で荒削りな分、捨てがたい魅力がある。
「赤頭巾ちゃん」の物語に見られる両者の相違も挙げておこう。
グリムでは、通りがかった漁師が、狼の腹を鋏で切って、呑みこまれたおばあさんと赤頭巾ちゃんを救ってくれるという、いわばハッピーエンドになっているのであるが、ペローでは、赤頭巾ちゃんは、狼に食べられたきり、誰にも助けてもらえないのだ。 しかも、彼女は裸になってベッドに入るという、露骨な性的暗示も伴っている。
こういった物語が、精神分析学的解釈の為の絶好の資料を提供しているということも、ついでに述べておこう。アメリカの心理学者エーリッヒ・フロムの解釈では、赤頭巾というのは血の色で、メンスの象徴なのである。 つまり、赤頭巾ちゃんの物語は、思春期の少女の性の危険に対する、警告の書なのだそうである。

我的には、「驢馬の皮」がちょっと気になった☆
なぜって、ここに出て来る王子様=”ザ”・プリンス・チャーミングなんかじゃなくて、
「美男とは言えず、その顔つきは雄雄しくて、勇猛な軍隊をも震え上がらせるほどの偉丈夫ぶり」

それって、マッチョな熊系ってことよね!
で、お姫様は、
「ご自分では気がつかないようだが、あの方はなんてご立派な様子なんだろう。なんてやさしそうなんだろう」
まあ、姫、趣味がいいじゃないの! 私と好みがぴったり同じだわ! ph5_story.jpg
このお話は、カトリーヌ・ドヌーヴ主演で映画化もされてます。

今、あらためて読むと、いろいろ納得することがある。
12時になって、馬車やドレスは消えても、なぜガラスの靴は消えずに残っているのか?
馬車や服は、シンデレラの持ち物(かぼちゃやボロ服)を、魔法使いが魔法で変身させたものだけど、「ガラスの靴」は、唯一魔法使いからのプレゼントだったから。 なるほど・・・。

さて、冒頭のオヤジの疑問にオヤジは自分でこう答えを出している。
― ガラスの靴は割れる。壊れそうなものだからこそ、大切にしなさいっていう教えなのか。 (幸福は)いつかは壊れる可能性もあると、あの話にはちゃんとオチが用意されていたんだな。

と、破綻した自分の結婚生活をふりかえって思うのだった。 しかし、これには更に続きがある。
― ガラスの靴はペローの創作で、元はリスの毛皮で作られた靴、または、金の靴だったのを、ペローが訳し間違えたらしい。 靴を脱ぐというのは、性的ニュアンスもあり、ガラスは、壊れやすいから、処女性の象徴でもある。

追求しだしたらきりがないですね。
さて、もし興味を持って、この本を読もうという方がおられましたら―。 図書館などにある全集でも読めますが、是非、この片山健のイラスト付きをオススメします。 ちょっと不気味で、エロティックで、シュールレアリズムの匂いのする片山健のイラストがあるのとないのでは、印象が全く違います。 表紙の猫の画を澁澤がとっても気に入って、これを表紙にし、タイトルもこれにしたそうです。
20070208231001.jpg
今は亡きシブサワ☆

スポンサーサイト

ラブ&デス «  | BLOG TOP |  » 「ブロークバック~」シャツを10万ドルで落札

プロフィール

ロレンツオ

Author:ロレンツオ
FC2ブログへようこそ!

追記・その他

リンク

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

カテゴリ

過去ログ +

2017年 04月 【1件】
2017年 03月 【11件】
2017年 02月 【8件】
2017年 01月 【8件】
2016年 12月 【12件】
2016年 11月 【8件】
2016年 10月 【10件】
2016年 09月 【10件】
2016年 08月 【10件】
2016年 07月 【7件】
2016年 06月 【8件】
2016年 05月 【6件】
2016年 04月 【5件】
2016年 03月 【6件】
2016年 02月 【7件】
2016年 01月 【6件】
2015年 12月 【9件】
2015年 11月 【9件】
2015年 10月 【9件】
2015年 09月 【9件】
2015年 08月 【10件】
2015年 07月 【13件】
2015年 06月 【10件】
2015年 05月 【8件】
2015年 04月 【9件】
2015年 03月 【11件】
2015年 02月 【10件】
2015年 01月 【8件】
2014年 12月 【10件】
2014年 01月 【6件】
2013年 12月 【11件】
2013年 11月 【7件】
2013年 10月 【7件】
2013年 09月 【9件】
2013年 07月 【3件】
2013年 06月 【8件】
2013年 05月 【7件】
2013年 04月 【9件】
2013年 03月 【7件】
2013年 02月 【7件】
2013年 01月 【6件】
2012年 12月 【9件】
2012年 11月 【11件】
2012年 10月 【7件】
2012年 09月 【8件】
2012年 08月 【7件】
2012年 07月 【5件】
2012年 06月 【10件】
2012年 05月 【11件】
2012年 04月 【8件】
2012年 03月 【14件】
2012年 02月 【8件】
2012年 01月 【7件】
2011年 12月 【13件】
2011年 11月 【10件】
2011年 10月 【10件】
2011年 09月 【10件】
2011年 08月 【8件】
2011年 07月 【10件】
2011年 06月 【14件】
2011年 05月 【11件】
2011年 04月 【10件】
2011年 03月 【12件】
2011年 02月 【7件】
2011年 01月 【6件】
2010年 12月 【12件】
2010年 11月 【11件】
2010年 10月 【11件】
2010年 09月 【7件】
2010年 08月 【11件】
2010年 07月 【7件】
2010年 06月 【4件】
2010年 05月 【5件】
2010年 04月 【6件】
2010年 03月 【10件】
2010年 02月 【11件】
2010年 01月 【5件】
2009年 12月 【6件】
2009年 11月 【7件】
2009年 10月 【9件】
2009年 09月 【11件】
2009年 08月 【7件】
2009年 07月 【7件】
2009年 06月 【11件】
2009年 05月 【10件】
2009年 04月 【8件】
2009年 03月 【9件】
2009年 02月 【5件】
2008年 12月 【2件】
2008年 11月 【4件】
2008年 10月 【6件】
2008年 08月 【3件】
2008年 07月 【16件】
2008年 06月 【5件】
2008年 05月 【1件】
2008年 04月 【3件】
2008年 03月 【9件】
2008年 02月 【9件】
2008年 01月 【11件】
2007年 12月 【14件】
2007年 11月 【7件】
2007年 10月 【6件】
2007年 09月 【6件】
2007年 08月 【2件】
2007年 07月 【9件】
2007年 06月 【6件】
2007年 05月 【6件】
2007年 04月 【10件】
2007年 03月 【5件】
2007年 02月 【9件】
2007年 01月 【8件】
2006年 12月 【7件】
2006年 11月 【7件】
2006年 10月 【13件】
2006年 07月 【8件】
2006年 06月 【7件】

検索フォーム

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

FC2カウンター

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

RSSフィード

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。